ミネラル類
イオウ
ほかの元素と結合していないのがミネラルなのですが、イオウだけは例外となります。これはタンパク質の成分であるシスチンというアミノ酸に含まれているからで、食べ物からとるときは魚や肉、卵、牛乳などのタンパク質の豊富な食品からとり入れています。イオウは体内に取りこまれてからも、タンパク質のはたらきに重要な役割を果たしているのですが、ひと口にタンパク質といってもいろいろあります。、毛髪や爪、皮膚をつくるタンパク質はたいへん丈夫なものですが、イオウはこのタンパク質の成分として皮膚を強くし、髪につやを与え、健康的な爪をつくります。また、軟骨や腱、骨などの成分にも、イオウが含まれており、肌のトラブルに有効で、医薬品の皮膚クリームや軟膏にもイオウが含まれています。
食べ物からエネルギーを取り出すときには、酵素が必要でが、この時、酵素をはたらかせる役割を担うのが補酵素です。イオウはビタミンB1やパントテン酸と結合して補酵素となり、糖質や脂質の代謝にはたらいています。地味な働きですが、からだにとっては欠かせない仕事です。このほかにもイオウは、解毒にはたらいて有害ミネラルが蓄積されるのを防いでいたり、肝臓の胆汁分泌を助けたりと、実に多くの重要な仕事をこなしています。まさに縁の下の力持ちと言えますね。このイオウはタンパク質食品さえしっかりとっていれば不足する心配はないので、所要量は定められていません。また、欠乏症も知られていません。不足によってあらわれる可能性のある症状は、皮膚炎、しみができる、爪がもろくなる、髪が抜ける、関節が弱る、解毒力が低下するといった症状になります。
カルシウム
カルシウムは健康な骨と歯をつくるほかにも、重要な生理作用を担っています。過去20年間日本人の平均的摂取量は一度もカルシウムの所要量である600mgを満たしたことがなく、最近でも93%の充足率という調査結果が出ています。日本人の骨粗鬆症の予防のためにも充分に摂取していきたいミネラルの1つです。
成人の体内には体重50kgの人で約1kgのカルシウムがあるとされ、その99%は骨や歯をつくっています。そして残りの1%が血液中や筋肉、神経などにあり、重要な作用をしているのです。神経のいらだちを抑えるトランキライザー(精神安定剤)のはたらきや、筋肉を収縮させて心臓を規則的に正しく活動さています。これが不足すると、副甲状腺ホルモンやビタミンDがはたらいて、骨からカルシウムを急いで放出させ、血液中のカルシウム濃度を一定に保つようになっています。このように、骨は、カルシウムの貯蔵庫としての役割ももっており、摂取量が少なければ減っていき、多けれぱ蓄積されます。
カルシウムの慢性的な不足状態が続いてしまうと、骨のカルシウムが失われ、成長期であれば歯の質が悪くなったり、あごの骨の発育に影響が出てしまいます。もっとひどくなると、骨質が簿弱となって腰痛、肩こりがみられ、骨がスカスカになっていきます。最悪、血行と血液の性状に支障をきたし、高血圧や動脈硬化の原因にもなるので定期的な摂取を心がけましょう。だるい、怒りっぽい、イライラもカルシウム不足からおこります。ミネラルやビタミンを多く含む食品として、タヒボを使用したお茶などの食品が最近では注目されています。カルシウム不足には手軽に摂取できる方法だと思いますので是非試してみてください。肉類など、タンパク質の過剰摂取はカルシウムの排泄量をふやしてしまいますし、ナトリウムの過剰摂取も同様となります。また、肉や加工食品に多く含ており、とりすぎの傾向にあるリンは、カルシウムの2〜3倍量を超えてとると、カルシウムの吸収を抑制してしまいます。肉や味の濃いものを食べ過ぎるのが良くないということですね。
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Last update:2017/10/5